ウィナーズ 厚川昌男賞 8人の受賞者

 
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日本のマジック界の一つの歴史をまとめた一冊。厚川昌男賞 8人の受賞者による作品集です。クロースアップからサロンまで、素材も幅広く、現象も変わり種から王道までそろっています。作家名は本名で掲載されていますが、実は有名なあの方だったりします。

坂井 弘幸


The Volunteer Swindler

切れ目のある五千円札とサイフの中の普通の一万円札が目の前で入れ換わります。
「ある時、お釣りにこんなイタズラのしてある(切れ目のある)お札を受け取りました」から始まる全体のストーリー・演出、そしてオチが秀逸です。切れ目があることの意味づけもしっかりなされています。ショーのオープニングに演じたい作品です。

Hair Band Mystery

マジシャンの親指にヘアバンドを二重に巻きつけます。観客がヘアバンドを引っ張っても抜けませんが、おまじないをかけると抜けてしまいます。即席でできます。

A Transient Love Story

女性を口説くためのマジックというテーマでのアイデア・作品集です。
Approach(女の子の電話番号をゲットする)、Present(デートで花束を出現させる)、Reach(ホテルのキーの部屋番号と観客の選んだ数字が一致する)、Propose(指輪の消失と出現)、Strange Relationship(カードマジック)などバリエーション豊かに紹介されています。

前田 知洋


ZODEA

マジシャンは12枚の西洋占星術の星座の名前が書かれたカードと、折りたたまれた予言を示します。星座のカードを良く切り混ぜ、観客に1枚のカードを選んでもらいます。予言を開いてみると、様々な記号が書いてあり、そのひとつが赤いインクで示されています。マジシャンはその記号こそが観客の選んだ星座のシンボルであることを説明します。観客はどの記号がどの星座に対応しているのか知らないため、マジシャンがでまかせを言っていると思っています。そこでマジシャンが予言を折りなおすと、そこには観客の選んだ星座の名前が現れます。

re-Psychle

空のトランプのケースに、万年筆を入れると、万年筆が動き出し、観客の選んだカードが箱に描かれます。

The Angel of Hypthesis

マジシャンは2枚の名刺サイズのカードを示します。それぞれにフォークの絵とスプーンの絵が描かれています。観客がどちらかを選び、マジシャンがその絵をこすると、描かれている絵が曲がります。そして残りのもう1枚の絵も観客の手の中で曲がります。

谷 英樹


エレベーターイリュージョン

演者は1組のデックから観客に1枚選んでもらいます。覚えてもらったらデックに戻し、ケースの中に入れます。演者はスリットの入った2枚の白いカードを取り出します。2枚を揃えると、スリットを通して向こうが見えます。これをカードケースにあてがい、お呪いをかけると、2枚のスリットカードの間に表向きのカードが下にあるカードケースの中から上がってくるのが見えます。スリットカード全体をひっくり返すと、間に挟まっているカードは観客のカードのようです。表向きの状態でお呪いをかけると、2枚のスリットカードの間から表向きのカードが下にあるカードケースの中に入っていくのが見えます。カードケースからデックを取り出し、裏向きにスプレッドすると中ほどで観客のカードだけが表を向いています。

バニシングマリッジリング

演者は両袖を腕まくりします。左手薬指の指輪を外し、左手に握ります。この指輪は消えてしまい、手を開いた状態で表裏見せますが見当たりません。演者は空中に見えない何かを見つけ、それをつかむように左手を握ると指輪が現れます。
実録プレゼントマジック
マプレゼントを渡すときの演出の紹介です。

石田 隆信


パーティカルジョイント4A

4枚のAをファンに広げ、観客に好きなAを言ってもらいます。そのAだけがひっくり返ると告げ、ファンを閉じ左手を閉じます。そして、右手でトップカードの一端をつまみ持ち、左手を放します。するとカードは裏向きで縦に数珠繋ぎになってしまい、観客の選んだカードAだけが表を向いてしまいます。

E.T.ロープ

ロープの中央に10cmほどの輪を作ります。輪の交差している部分を観客に親指と中指で持ってもらいます。演者の人差し指をその輪に入れ、たれ下がったロープに絡ませます。観客がロープを放すと、ロープは演者の指に絡まります。もう一度同じことを行いますが、今度は観客にロープを離してもらう前に、あの「E.T」のシーンのように演者の人差し指と、観客の人差し指の指先どうしをくっつけ、ロープを放してもらいます。すると、ロープは指をすり抜けるように床に落下します。

デートTimeカード

演者は観客によく混ざっているデックを観客に示します。観客に1枚のカードを選んでもらい、そのカードを演者に見えないように持っていてもらいます。 演者はデックのトップから、テーブルに1枚ずつ時計の文字盤を作るように12枚のカードを並べます。観客に今の時刻をたずね、その時間のカードを見ると、一致しています。


藤原 邦恭


札裂き

観客から紙幣を借り、一本の割り箸をくるみます。左手に紙幣、右手に割り箸を持ち、強く横に引っ張ると、紙幣を引き裂く「バシッ」という音とともに、紙幣が割り箸から外れます。紙幣におまじないをかけると、裂かれた紙幣が復活しています。

ワリバシトリック

割り箸のアクロス現象。数本の割り箸を取り出し、一膳ずつ観客の目の前で2つに割ります。割ったものは、それぞれ2つの封筒に入れていきます。2つの封筒には同じ本数の割り箸が入れられますが、最後には演者はポケットより1本の割り箸を取り出します。この1本を観客の支持した方の封筒に入れた後、演者は別の封筒に移動するようにおまじないをかけると、移動してしまいます。

マドラーの行方

マドラーで紙に穴を開けようとすると、「バシッ」という紙が破れる音がします。次の瞬間、穴は開いておらず、マドラーが消えてしまいます。

岸本 道明


マインドスケッチブック

マジシャンはスケッチブックを取り出し、マジックペンで2枚の画用紙にそれぞれ3つの○を描きます。演者は1枚目の画用紙に予言を○の中に1つづつ書きます。観客はマジシャンの質問に対する答えを2枚目の画用紙の中の○の中にそれぞれ書きます。演者の予言と観客の答えを見ると全てが見事に的中してしまいます。

ラバーバンドペネトレーション

マジシャンは2本の輪ゴムを両手の親指と人差し指に掛けクロスさせて、輪ゴムが抜けないようにします。しかし、輪ゴムはするりと抜けてしまいます。

血液型占い

マジシャンは血液型の書かれてある4まいのカードを封筒の中にしまってあると観客に説明します。一人の観客に好きな血液型を言ってもらいます。封筒の中にあるカードを出すと観客の言った血液型のカードだけが表を向いており、そのカードを裏返すと裏の色も違っています。

片山 一美


カードを当てるシルク

観客に一枚のカードを選ばせ、サインをしてもらいデックに戻します。紙袋の中をあらため、デックを入れます。先端にゼムクリップをつけたシルクを取り出し、紙袋の中に入れますが、一端を袋の口から出しておきます。紙袋の口を髪ばさみで止め、観客に袋をよく振ってもらい、袋の中でカードを混ぜてもらいます。紙袋を開け、観客にシルクを取り出してもらいます。すると、シルクの先端のゼムクリップに1枚のカードが挟まっています。そのカードがサインカードです。

ガムガムパンチ

ガムの包み紙で作ったコインが、一瞬にして本物のコインに変わります。

赤裏と青裏の水と油

赤裏のデックから2枚の赤いマークのカード、青裏のデックから2枚の黒いマークのカードを取り出して、オイル&ウォーター現象をします。
また、突然すべてのカードが赤いマークのカードになってしまい、さらにすべてのカードが青裏のカードになってしまいます。そして、最後には元に戻ってしまいます。

守屋 一朗


カエサルの栞

カエサルの栞と呼ばれる栞に貼ってある1枚の木の葉が透明な板をすっと貫通し、そして再び透明な板を貫通して栞に戻ります。

お札クルクル

観客からお札を借ります。ポケットから30cm×10cmほどの紙を取り出し、円錐状に巻いて持ちます。その円錐の上に、借りたお札を乗せると、お札が回り始めます。風を送ったり、息をかけたり、糸や磁石など余計なものは一切使いません。

ロマンスの神様

占いをモチーフにした作品。赤裏と青裏の二つのデックを使い、観客の誕生月の数字のカード(Four of a kind)が揃います。